シェンゲン条約 シェンゲン協定の規定
シェンゲン協定が制定される前、西ヨーロッパ諸国民は国民IDカード又はパスポートを国境で提示することで、 隣国へと移動することができた。他地域の国民は、パスポートに加えて査証が必要な場合には、 訪れたいヨーロッパの各国別々に取得せねばならなかった。国境検査所の膨大なネットワークが大陸を張り巡らされており、 必要な書類作成並びに審査によって人の流れや、運輸及び貿易に時間的な遅れや費用が余計に生じていた。
シェンゲン協定により加盟国間での国境検査は廃止するが、必要な取り決めはそれだけに留まらず、 加盟国のシェンゲン外に対する国境検査政策を統一することも意味する。これは、ある国が受け入れ可能であっても他国には入れなかった人物が、 片方が認めてさえいれば両方に入国可能になるために欠くことができない。例えばまた、もし入国基準が統一されていなければ、 移民者は最も入り易い国境を通過し、直接は入国しづらい国へと向かうこともできてしまうこととなる。
加盟国が、もし自国国家の安全に関わるとみなせる状況と判断したときに短期的に国境検査所を設置することは、 条約の2.2項により認められている。
ポルトガルが、サッカー欧州選手権2004開催時に設置。
フランスが、D-Day (第二次世界大戦において連合国がフランスノルマンディに上陸した日である1944年6月6日) の60周年記念式典で設置。
フランスが、2005年7月のロンドン同時爆破事件の後、 一時的に設置。
英国はシェンゲン地域でなく、つまりフランス-英国国境検査所は事件前から常に稼動していたにもかかわらず、 設置されることとなった。爆破犯の一人は常にフランスを通じて各国と行き来しており、ローマで初めて捕えられた。
フィンランドは、2005年8月ヘルシンキ・ オリンピックスタジアムで実施された2005年世界陸上選手権開催時に設置。
シェンゲン地域内での犯罪捜査に対抗するため、加盟各国警察はストラスブールに設置されたシェンゲン情報システムを通じて犯罪者、 行方不明者等の情報を共有している。これにより互いの国が登録人物の背景についての情報を持つことで、 ある加盟国から別の国へと移動することで消息をくらませることができなくなる。
以前には警察によって緊急追跡を受けている犯罪者は、 何とか国境を渡ってしまえば警察があきらめざるを得なかったために逃げおおすことが可能であった。 しかしシェンゲン協定の下では警察はそのまま国境を渡り追跡を続けることが可能となる。
シェンゲン協定は犯罪者による緩やかな国境検査の悪用を最小化するため、いくつかの関連政策領域で各国法令を一致させることを目指している。 例えば麻薬に関するオランダとフランスの政策とは異なっていることから、 オランダ国内で麻薬を購入しフランスへと運び込みブラックマーケットなどで売り捌こうと企むことは、 二国間に国境検査所がなければ非常に簡単なことである。この麻薬関連政策の違いからフランスは、条約の実施後もある期間、 ベネルクス諸国からフランスへの入国者に対しての国境検査所を維持すると主張していた。
(ウイキペディアより引用)
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