だんなの証言

まず、基本として、生まれるとは思わなかった。

おしるしがあって、破水したときも、信じられなかった。

妻もブアも、生まれると言っていたが、その言葉は信じられなかった。

医者の言うとおりに薬を飲まないのが問題なのだと思っていた。

しかし、しばらくして、大声で痛がっているときは、これは何か問題があるぞと思った。

破水してから部屋に呼ばれて、一旦、部屋を出て、もう一度戻ってきたとき、子宮口に赤ちゃんの頭が見えて、それでやっと、「あ、 生まれる」と分かった。

医者を呼んで来いと妻に言われて、近所の信頼できそうな医者を5件回ったが、みんな「対応できない」と拒否した。

ラルマティアのほうの、6件目、シティホスピタルという新しい病院に行ったところ、看護婦の対応が遅く、散々待たされたが、 やっと医者が「個人的にならOK」ということで、きてくれた。

だが、到着したときはすでに全部終っていた。

医者は何もせず、それでも、それなりのお金を払わざるを得なかった。

赤ちゃんもかなり放置されていたが、ブアたちがみんな、「連れて行かなくても大丈夫、大丈夫」というので、それに影響された。

そういえば、自分の母親も同じようにやってたなと思ったりしたが、日本人の知人に車を出してもらうように電話すると、 「赤ちゃんを早く病院に連れて行かないと」と怒られ、そういえば、母親が産んだ自分の兄弟達も、3、4人、 小さくして死んでたからなと思い直したりもした。